社員が挑戦できる仕掛けを。主体的にキャリア形成できる制度「兼チャレ」とは?!

こんにちは!
ウィルゲート2013年新卒入社の北林賢太です。人事リーダーとして採用、組織開発、文化形成、労務などを担当しています。今回は、社員が他の部署への兼任を希望できる制度である「兼チャレ」の紹介をさせていただきます。

 

「兼チャレ」とは

“一人ひとりの意志の実現”を経営理念に掲げている弊社にとっての”一人ひとり”とは、お客様、ユーザーの皆様だけではなく、社員一人ひとりのことも示しています。

ベンチャー企業である以上”機会創造”や”キャリア形成”や”能力開発”は、個人が行っていくべきとの考え方が一般的であると思います。ウィルゲートではそれに加え、挑戦したい人に機会を提供する文化やお互いの意志実現を支援し合うような文化を創ることで、さらに一人ひとりの動きを加速していこうと考えています。

その一環として”社員の自立的なキャリア形成支援”と”成長/挑戦機会の提供”を目的として「兼チャレ」ができたのが、2012年のことです。兼チャレとは文字通り、自分の挑戦したい部署に兼任できることができる制度です(一部条件付き)。会社から依頼する「兼任」とは性質が違い、兼チャレはチャレンジ要素が強く、通常の兼任者に支給される「兼任手当」も支給されません。

導入以後、新規営業を担当していた社員が商品企画組織を兼任したあと異動となった事例や、兼チャレによって組織間の連携が強化された事例があるなど、個人・会社双方にとってメリットがあると感じています。

①社内の写真

短期成果と長期成果の間での苦労

とはいえ、導入直後はなかなか流行らず苦労もしました。希望者が集まらない、希望があっても所属部署や受入部署の事情で実現にいたらない、ということもありました。どちらも、”成長はしたい(させてあげたい)ものの、自部署の目標が達成できないことには…”という背景からきていて、長期成果と短期成果のバランスには、現在でも悩むことが数多くあります。

個人的には変化の激しいベンチャー企業では、短期成果の方が重視されやすいのではと感じています。自分自身も、やりたいことよりもやらなければいけないことを優先してしまうことも多くありますし、日々のミッションに向かうことで視野が狭くなり、長期の目標について考える時間をなかなかとれていない現状もあります。

ただ”キャリアが見えない””成長実感がない”という声が社員から聞こえてくることも事実であり、実際にそういった理由で独立や退職を決める社員もいました。短期成果を軽んじることは決してよくはありませんが、短期と長期の適切なバランスを実現するために取り組む必要があると感じています。

その中で、兼チャレは長期視点での施策として、募集時の告知の工夫や事例紹介、または経営層と相談したうえでの応募支援などに取り組み、制度として浸透させてきました。

2016年1月現在では、8名の社員が兼チャレ対象者として活躍しております。

 

自分にしかできないことに挑戦したい

新規営業チームに所属している、3年目の川上さんは2015年7月にエンジニアチームへの兼チャレを応募し、現在も継続しています。川上さんに、兼チャレについて聞いてみました。

兼チャレに応募しようと思ったきっかけは??

キャリアに関しては、社内で見ても社外で見ても”ビジネスマンとして信頼されて、自分にしかできないことに挑戦したい”というのは常に考えていました。兼チャレに応募しようと思ったのは社内のエンジニアの人と話したのがきっかけです。その話の中で、営業とエンジニアリングの両方がわかる人がいないことで、商品創りの生産性が落ちていたり、お互いの理解が足りず一体感が損なわれていることを聞きました。
自分の業務の幅が広がることと、事業に貢献できること双方が実現できそうだと思い、応募を決めました。

実際にやってみてどうでしたか??

開始当初は、業務の時間配分に苦労し”あれもこれもやりたい”と全てに手を出した結果、営業業務もエンジニア業務も中途半端になってしまいました。実績を出したかったので、自分がより貢献できて、課題感も感じていた”連携強化”に焦点を絞り動き始めたのが開始後1ヶ月ほどが経った頃です。自分の意見だけではなく、営業チームのみんなの意見をまとめてエンジニアのみんなに届けたことで、顧客視点に立った商品開発の経験を積むことができました。
また、業務の進め方や業界についての情報を共有することによる生産性の向上もできたと思っています。営業チームは勢いはあるけど計画性がなくて、エンジニアチームはその逆で…笑
よいところが合わされば組織力の向上にも繋がると思うんですよね。

今後はどうしていきたいですか??

エンジニアチームでの兼チャレはいつまで続くかはわかりませんが、常に色々なことに挑戦していきたいです。(川上さん自身)欲張りなところがあるので、お客様も会社も自分自身も、全部をよい方向に変えていきたいと思っています!

②エンジニアとの写真

個人のキャリア形成/能力開発に加えて、組織間の連携強化にも寄与する兼チャレの側面を見ることができました。

 

個人がキャリアを考えるのと同じ熱量で、上司も考えるのが理想

また、兼チャレ開始時に川上さんの上司だった営業チームリーダーの加藤さんにも話を聞いてみました。

川上さんから兼チャレの希望を聞いた時どう思いましたか??

個人的には大歓迎でした。営業目標は達成していましたし、兼チャレをすることがよいプレッシャーになって本人もさらに頑張るだろうなと、と思いましたね。川上さんは結果が出ない時に時間で解決する面もあったので、業務の効率を高めるような成長が期待できるなとも思いました。責任感がすごく強いので、役割が大きれば大きいほど動けるタイプなんです。エンジニアという兼チャレ先を聞いたときは少し驚きましたたが、マルチな才能を身につけることで彼女のキャリアにとってもプラスになると感じ、うまく実現できるよう支援しようと思いました。

実際に兼チャレを経て、川上さんにどんな変化がありましたか??

率直に、想像以上に効果があったと感じています。当初は時間配分で迷うこともあったようですが、より成果や成長に繋げるために自分でやるべきことを決めて取捨選択できるようになりましたし、組織をまたいで活動してる分周りを巻き込み推進する力がつきましたね。また、これまでは二人で話していても、個人の短期的な課題が話題にあがることが多かったのですが、チーム・会社の長期的な課題について考えて提案してくれる機会が増えたなと感じています。

兼チャレの取り組みについてはどう考えていますか??

社員がキャリアを考えるきっかけとして、またキャリアを支援する仕組みとして、素晴らしい取り組みだと思っています。私個人としては、自チームのメンバーのキャリア支援の一つとして兼チャレをとらえて、サポートしていければと思っています。個人がキャリアを考えるのと同じくらいの熱量で、上司がメンバーのキャリアを考えるのが組織としての理想だと思うんですよね。

 
③二人の写真

 

社員の意志が実現する会社に

川上さんの事例のように、想いの実現に繋がっているケースもあれば”兼チャレは実現されたものの、期待した内容の仕事ではなかった””期待していた成長ができなかった”というケースもあります。会社としてはこれまで、応募の増加・実施者の増加に向けて取り組んできましたが、現在は応募者と受入部署の認識のすり合わせや実施後のフォローに課題を感じています。

とはいっても、何より大事なのは個人の挑戦意志です。まずは社員一人ひとりが、挑戦したいという強い意志を持ち、その実現に向けて動くことが大切なことに変わりはありません。個人の”挑戦したい”という意志と、上司や会社の”支援したい”という意志がかけ合わさって、一人ひとりの意志の実現に繋がればと思います。

④川上の写真

公開日: 2016/01/13